賃貸住宅の騒音騒ぎ②-1

2023年11月02日

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社長の小宮です。

弊社では賃貸物件の管理を主に取り扱っています。

 

今回は、弊社が管理していた賃貸アパートで起きたとあるトラブルについてご紹介させていただきます。

 

 

最近、真夜中に下階の部屋から人の話し声が聞こえくる。

気になって眠れないので何とかしてもらえないか。

 

今回の舞台は、主要駅から少し距離のある郊外の木造2階建てアパート。

2階に入居している入居者様から、こんな内容の連絡がありました。

共同住宅では正に「付き物」とも言える「音」の問題です。

 

 

以前、ご紹介した記事( 騒音の苦情 )の冒頭でも触れましたが、賃貸住居の入居者からご連絡いただく苦情の中でも、とりわけ「音」に関する問題は扱いが非常に難しいので困りものです。

 

まずは本題に入る前に、なぜ「音」の問題は扱いが難しいのかご説明いたします。

 

不快に思う音量には「個人差」がある

大声で怒鳴りあってケンカしている

友達を呼んで大勢で大騒ぎしている

こんな感じならば間違いなく全ての人が不快に思う「騒音」です。

契約違反・規約違反にあたるので、管理側も何の躊躇もなく対応が可能です。

しかし、いただく苦情の中には「騒音」と判断するには難しいケースも多く存在します。

人によっては全然気にならない音、でも気にする人もいる音

といったケースです。今回のご相談が正にそれ。

夜中は昼間に比べて静かです。まして郊外であれば尚更、周囲はシーンと静まり返っています。

故に、誰しも感じるほどの「音」が発生すれば、当然、他の入居者様にも聞こえて同様の連絡があるはずです。

しかし今回はそれがない。つまり、

音の発生元と隣接する部屋の人にしか聞こえないくらいの音量

他に隣接している入居者様にとっては気にならない音量

連絡をいただいた入居者様にとっては気になる音量

と、推測されます。

果たして、このレベルの音量をもって「騒音」と判断し、管理者が動く事は適切なのでしょうか。

 

共同住宅で周囲に一切の音が聞こえないようにする事は「不可能」

上階に住む人の足音

隣接する家の引き戸を閉める音

近隣の家の玄関ドアを閉める音

共同住宅にお住まいの経験がある方ならば、誰しも聞いた事がある音ではないでしょうか。

表題にある通り、これらの音は鉄筋コンクリートのような遮音性が高いと言われている建物であっても聞こえないようにする事はまず不可能です。

まして遮音性の低い木造建物であれば、お隣の話し声がボソボソと聞こえる、なんて事も普通にあります。

構造上、防ぐ事が出来ない「音」である以上、あとは個々人が「音の発生を抑える」事しか対処法は存在しません。

 

「騒音」と「生活音」の線引きが難しい

音の種類と一般的な感じ方を、音量(dbデシベル)別に表したものを見つけてきたので拝借しました。下表をご覧下さい。

※表は、基本的に「目の前で聞こえる音」のレベルを表しています

※「隣接する部屋」からの音は、壁などを挟むため数値が大きく減少するので注意

 

音量dbレベル

 

一般的には、

日中、ストレスなく生活できる     →  50db代まで

人によっては就寝時ストレスを感じる  →  40db以上

と、言われています。

(一応の基準は設けられていて、環境省発表では日中55dB以下、夜間45dB以下だそうです)

共同住宅での実際の生活に当てはめてみると、これが判断の難しい微妙なラインなんですね。

壁を挟んでお隣の部屋には「普通の会話」はどのくらいのレベルで聞こえるのか

例えばそれが40dbだったとして、だから「自宅であろうと夜間は会話するな」と警告?

「普通の会話」を「騒音」と認定して制限する事が正しいとは思えない

しかし「騒音」と捉えてストレスを感じる人がいる事も事実

「線引き」が非常に難しい問題である事がお分かりいただけましたでしょうか。

 

 

 

はい。今日のところはここまで。

次回は、「弊社の対応」についてお話しさせていただこうかと思います。

 

 

エリアは狭いですが、弊社でも厚木市・海老名市・伊勢原市近辺であれば管理が可能です。

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