テナントビルの原状回復工事①-1

2024年02月15日

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社長の小宮です。

弊社では賃貸物件の管理を主に取り扱っています。

 

管理先には事業用ビル、いわゆるテナントビルもございますが、今回は「事業用ビルの原状回復義務」についてお話しさせていただきます。

 

 

 

賃貸借契約において、解約時の取り決めの中で重要なポイントとして挙げられる1つに「原状回復義務」と言うものがあります。

読んで字の如く

「原状に回復する義務」 つまりは、

「借主さんは解約時に借りる前の状態に戻して返す義務があるんですよー」

みたいな内容なんですが、解約時のトラブルとして度々問題になったりするのでご存知の方も多いのではないでしょうか。

 

賃貸借契約であれば、どんなものでも避けて通れない取り決めなのですが、居住用と事業用ではだいぶ内容が違ったりします。

 

そこで今回は、事業用賃貸借における原状回復義務について掘り下げてご紹介しようと思います。

居住用との違いも併せてご説明していきますので、宜しかったら見ていって下さい。

 

 

 

原状回復義務に関する法改正

2017年5月に成立した「民法の一部を改正する法律」が2020年4月に施行され、賃貸借契約に関する民法のルールが変わりました。

まずは、改正された原状回復義務の内容についてご紹介します。

 

民法第621条

賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。以下この条において同じ。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない

 

特に赤字の部分が重要な箇所なのですが、噛み砕いて言うと

自然損耗や経年劣化は借主さんの責任じゃないよねー

借主さんの責任ではない損傷は原状回復はいらないよねー

と、いう事。

この改定は、民法が改正される前に国土交通省で策定された「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を条文化したといえます。

ただし、ガイドラインでは一般の住居用賃貸物件に適応されるものとされていましたが、改正民法では住居、テナント、店舗の区別なく適応されるようになった点がポイントになっています。

 

 

居住用と事業用の違い

前述の通り、原状回復義務に関する内容は、原則として居住用と事業用どちらにも適用されるようになりました。

但し、以下の場合は居住用と事業用に違いが生じるので注意が必要です。

 

❶ 経過処置で、改正前の契約は改正前の民法が適用

法改正は2020年4月でしたが、それ以前に締結された契約はどうなるのでしょうか。

実は、2020年4月1日以前に契約した賃貸借契約は改正前の民法が適用されます。

つまり、改正前に契約し、その契約期間内であるならば、前述の民法第621条の赤字部分は事業用賃貸借には適用されない事を意味します。

この辺りが、借主さんが勘違いしやすいポイントなので注意が必要です。

 

❷ 当事者間の取り決めにより変更が可能

この原状回復についての条文は任意規定と考えられています。

つまり、契約書に記載し、双方の合意があるのであれば変更が可能という事です。

入居者保護の観点からあらゆる面で守られている居住用入居者の場合は、いかに契約書に変更の記載があったとしても借主が不利な取り決めは無効になる可能性が高いです。

しかし、事業用の場合は著しく不法な取り決めでなければ契約書内容が優先され、取り決めが有効となる場合が多いので注意しましょう。

 

 

 

はい。今日のところはここまで。

次回は「事業用によくある原状回復の内容」についてお話しさせていただきます。

 

 

エリアは狭いですが、弊社でも厚木市・海老名市・伊勢原市近辺であれば管理が可能です。

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